
『攻殻機動隊』アニメ化30周年を記念した『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』が、2026年7月17日から8月30日まで、兵庫県立美術館で開催されています。
歴代シリーズを横断して紹介する初の大規模展として企画された本展は、2026年4月に閉幕した東京展に続く巡回展です。1,600点超の原画や設定資料に加え、ARやAIを活用した体験型コンテンツも展示。作品を「見る」だけでなく、その世界観を多角的に味わえる展示として、多くの来場者を惹きつけています。
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今回は実際に会場を訪れ、展示の魅力を体感するとともに、本展示会が作品世界をどのように落とし込んだのか、さらにKDDIがテクノロジーを通じて作品世界と来場者をどのようにつないだのか、そして作品世界と来場者をつなぐ体験の裏側で、KDDIのテクノロジーがどのような役割を果たしたのか、その舞台裏を紹介します。
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歴代シリーズを横断する『攻殻機動隊』初の大規模展
『攻殻機動隊』は、1989年に士郎 正宗氏の漫画として誕生し、1995年公開の押井 守監督による劇場版『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』をはじめ、テレビアニメや映画など、多くのクリエイターによって映像化されてきた作品です。シリーズごとに異なる世界観や表現で描かれながらも、「人とは何か」「Ghost(魂)とは何か」という普遍的な問いを投げかけ続け、国内外で多くのファンを魅了してきました。
会場には原画や設定資料、セル画など1,600点超の制作資料を展示。数十万点におよぶ資料のなかから、約4カ月をかけて選び抜かれた展示を通して、歴代シリーズの世界観や制作の歩みをたどることができます。
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さらに関西巡回展では、2026年7月から放送中の最新テレビアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の制作資料も公開されています。放送の進行に合わせて展示内容の一部が入れ替わるため、一度訪れた方でも新たな発見を楽しめます。
そして、本展ならではの魅力が、最先端のテクノロジーを活用した没入型の体験型コンテンツです。ARコンテンツ「電脳VISION」や、タチコマとの会話を楽しめる「タチコマAI」が、展示資料の奥にある物語への理解を深め、作品世界のディテールと来場者の好奇心をつなぎます。
作品を「見る」だけでなく、作品世界へ“DIVE”する。そんな本展覧会ならではの体験を実際に味わってきました。
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テクノロジーのチカラで、作品世界へ“DIVE”
展示室へ足を踏み入れると、会場いっぱいに並ぶ歴代シリーズの原画やセル画、設定資料が目に飛び込んできます。
近づいて驚いたのは、その緻密さ。展示された原画の一本一本の線からは手描きならではの息づかいが伝わり、原画の余白には監督による細かな指示やコメントがびっしりと書き込まれています。美術館の静かな空間にいながら、作品が生まれるまでの試行錯誤や、クリエイターたちの熱量がひしひしと伝わってきました。
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また、シリーズごとの表現の違いはもちろん、作品を貫くテーマや世界観を横断してたどれるのも本展ならでは。キャラクターや劇中音楽など、テーマごとに映像や資料を見られるコンテンツも用意されており、多彩な切り口から『攻殻機動隊』を読み解くことができます。
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その体験をさらに広げるのが、KDDIの体験型ARコンテンツ「電脳VISION」と対話型AI「タチコマAI」です。
※「電脳VISION」は2026年8月20日まで体験が可能です。
※「電脳VISION」は事前予約制の有料コンテンツです。本展の入場チケットとは別に料金がかかります。
※「タチコマAI」は会期中イベントとして実施され、常設展示ではありません。2026年8月20日、21日の2日間実施いたします。それ以外の日程は、タチコマ原寸大モデルの展示のみとなります。
ARグラスを装着すると、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズなどでおなじみのタチコマが目の前に登場。ほぼ原寸大で動き回る姿に、会場のあちこちから「かわいい…!」という声が上がっていました。
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電脳VISION ARグラス
ARグラスをのぞくとタチコマが登場!
タチコマの案内に合わせて展示資料にデジタル演出が重なり、作品や制作背景をわかりやすく紹介してくれます。
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電脳VISIONはARグラスとスマートフォンを使って体験できる
映像が展示の主役になるのではなく、「この原画をもっと見たい」「この場面について知りたい」という気持ちを自然と引き出してくれます。そして体験の最後には、ファンならきっと心が動く、あの名シーンが...!展示の締めくくりにふさわしい、印象的な演出となっていました。
もう一つの見どころが、「タチコマAI」です。
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タチコマと対話することができる「タチコマAI」
話しかけると、タチコマが自然な言葉で応えてくれます。印象的だったのは、その受け答え。単に質問へ答えるだけでなく、「タチコマなら、こう話すだろう」と思わせる言葉選びや話し方から、作品への深い理解が感じられます。
「タチコマにゴーストは宿っているのか?」「タチコマの好きな食べものって?」など、気になることを自由に質問できるのも、この体験ならではの魅力です。
原画を見て、ARを体験し、タチコマと会話する。その積み重ねによって、気づけば『攻殻機動隊』の世界にどっぷり入り込んでいました。
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モニターに映し出される顔が、「笑い男」になる「Laughing Man Mirror」。この体験もAR技術を活用している
“DIG”ることで自分だけの「好き」を見つける
展示企画を担当した「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 製作委員会」で、展覧会統括ディレクターを務めた森ビルの桑名 功さんによると、本展の出発点は、「『攻殻機動隊』は、人によって心に残る作品やシーンが違う」という気づきだったとのこと。
「みんな『攻殻機動隊』で思い入れのある作品はそれぞれ違います。だから、一つの答えを示すのではなく、自分なりの“好き”を見つけられる展示にしたいと考えました」(桑名さん)
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森ビル株式会社 新領域事業部 桑名 功さん
その思いを形にしたのが、本展のコンセプト「DIG」です。
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「レコード店でお気に入りの一枚を探すように、自分だけの“好き”を掘り下げてほしい」
その発想は、膨大なアーカイブを整理するなかで、「こんな資料も残っていたのか」という発見を重ねた経験から生まれたといいます。
会場全体は神社をモチーフに設計され、原画や設定資料が並ぶ展示空間を「本殿」、ARやAIなどのデジタルコンテンツは本殿へ導く「参道」と位置づけています。来場者が作品とより深く向き合うための導線としてデジタルコンテンツを活用しているのです。
また、桑名さんは、約30年前に描かれた『攻殻機動隊』の未来像が、AIをはじめとする技術の進化によって少しずつ現実になりつつある今だからこそ、あらためて作品と向き合ってほしいと話します。一方で、展示を通して最も感じてほしいのは、人間の想像力や創造性だといいます。
「100%手描きで描かれた原画を見て、人間が持つポテンシャルのすごさを感じてもらえたらうれしいです」(桑名さん)
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展示へ込めた思いを、来場者一人ひとりが自然に体感できる形へと広げたのが、KDDIとの共創でした。
作品へのリスペクトが生んだ、没入体験
本展で、ARコンテンツ「電脳VISION」と対話型AI「タチコマAI」の開発・企画を支えたのがKDDIです。単なる技術の提供にとどまらず、「作品世界を五感で体験してほしい」という熱い思いのもと、クリエイター陣と並走しながらコンテンツを作り上げた開発チームに、制作の舞台裏とそこに込めたこだわりを聞きました。
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KDDI ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 エキスパート 砂原 哲
KDDIでプロダクトデザインやデジタルアートの企画や開発を担当し、本展においては電脳VISION統括プロデューサーを務めた砂原 哲は、「技術そのものを見せるのではなく、ちゃんと価値のあるものにしてお客さまに届けることを大切にしています。今回は、展示を通して自然に『攻殻機動隊』の世界へ入り込み、楽しんでいただくことを大切にしました」と話します。その考えは、タチコマAIにも一貫していました。
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目指したのは、「AIとして優秀であること」ではなく、「これはタチコマだ」と感じてもらうこと。砂原自身も原作ファンであることから、話し方や言葉遣いに至るまで作品を徹底的に研究し、「タチコマらしさ」を追求しました。
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さらに、作品で長年タチコマを演じてきた声優・玉川 砂記子さんの協力のもと、ご本人の許諾を得て音声合成を実現。桑名さんは、声をAIで扱うことは簡単な取り組みではなかったと振り返ります。昨今、声優の音声をAIで活用することへの議論が続くなか、関係者との協議を重ねて実現した今回の取り組みについて、「正式なルートを取って突破しているっていうのは、本当にすごいことだと思います」と語りました。
ARコンテンツ「電脳VISION」も、作品の魅力をより深く味わえる体験を目指して設計されました。当初はARではなくVRも検討したとのことですが、原画展と切り離すのではなく、現実の展示と重なり合う体験を目指した結果、ARグラスを活用した形にたどり着いたそうです。

劇中の世界観を再現したユーザーインターフェースに加え、全シリーズを横断するオリジナルストーリーも制作。作品への深い理解とリスペクトが、こうした体験づくりの細部にも息づいています。
その世界観を損なうことなく体験してもらうため、通信環境にも工夫が施されました。タチコマAIでは、5Gを活用し、会場内で安定した通信を実現。スムーズな対話を支えています。
『攻殻機動隊展』が示す、人の心を動かすテクノロジーの可能性
『攻殻機動隊展 Ghost and the Shell』では、テクノロジーが前面に立つのではなく、作品の魅力を引き出し、来場者がその世界をより深く味わい、楽しむきっかけになっています。
KDDIが目指したのも、ARやAIそのものを体験してもらうことではなく、『攻殻機動隊』の世界へ自然に入り込み、作品をより深く楽しめる環境を、製作委員会の皆さんと共につくることでした。AIやARといったテクノロジーを使ったコンテンツは作品と来場者を自然につなぎ、エンターテインメントの新たな形を届けています。
今回の取り組みは、KDDIが目指す『心動く体験をそっと支えるテクノロジー』の一例です。KDDIはこれからも、テクノロジーと確かな品質を通じて、人と人、人とコンテンツをつなぎ、一人ひとりの「ときめき」や、夢中になれる体験を支えていきます。
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