スマホの中身はどうなっている?山口の子どもたちが夢中になった「スマホ分解教室」

毎日あたりまえのように手にしているスマートフォン。しかし、その中身を実際に見たことがある人は、大人でも多くはないはずです。2026年7月18日から20日、山口県山口市の「KDDI維新ホール」で開催された子ども向けデジタル体験イベント「SOZOWフェスYamaguchi」で、KDDIは子どもたちの好奇心を刺激する「スマホ分解教室」をお届けしました。子どもたちがドライバーを手に、スマートフォンを一つひとつのパーツへと分解していく現場を取材しました。

なぜ山口市で「スマホ分解教室」が開催されたのか

子どもたちのワクワクにあふれた今回の会場、「KDDI維新ホール」。ここは山口市の産業交流拠点として2021年にオープンした場所です。KDDIは開館前から地域活性化のパートナーとして山口市と連携してきました。これからもこのホールを拠点に、地域に根ざした新しい体験や未来へのきっかけをお届けしていきます。 

「SOZOWフェス Yamaguchi 2026 Summer」の会場となったKDDI維新ホール
「SOZOWフェス Yamaguchi 2026 Summer」の会場となったKDDI維新ホール

今回のSOZOWフェスYamaguchiは、維新ホール5周年記念事業として山口市・森ビル都市企画が主催し、SOZOWと西日本旅客鉄道(JR西日本)が共催する中国地方初のエデュテイメント体験イベントです。

十数種類の体験ブースが集まったSOZOWフェスの会場
十数種類の体験ブースが集まったSOZOWフェスの会場
多くの親子でにぎわう会場
多くの親子でにぎわう会場

「スマホ分解教室」を開催したきっかけについて、KDDIの柳澤はこう話します。

「SOZOWフェスの趣旨や来場者層が、山口市とKDDIの協定でできる価値提供とよく合うと考えました。その中で、環境・人権・多様性といったテーマを小学生に伝えるのにスマホ分解教室が適していると判断したのが、きっかけです」(柳澤)

KDDI 地域共創・SX推進本部 地域共創推進部 柳澤 一馬
KDDI 地域共創・SX推進本部 地域共創推進部 柳澤 一馬

KDDIと山口県のつながりは50年以上も続いています。1969年に「KDD山口衛星通信所(現・KDDI山口衛星通信所)」が、日本の衛星通信の玄関口として開所したことが始まりです。

同年の、アポロ11号月面着陸のヨーロッパへのテレビ伝送という歴史的瞬間にも稼働し、現在も国際通信や国際放送など通信を守り続けています。

実物のパラボラアンテナの見学や、宇宙とつながる通信のしくみを楽しみながら学ぶ体験ができる「KDDIパラボラ館」も併設され、入場無料で見学できます。

山口市との連携協定を締結してからは、市内の小学生向けに「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」を実施するなど、未来人財を育成する活動を継続的に重ねてきました。

スマホ分解教室は、そうした取り組みのなかでも、循環型社会の形成としてスマホのリサイクルを子どもたちに伝える地域共創のプログラムとして位置づけられています。

会場で驚きの声が上がった、スマホのリサイクル率

スマホ分解教室は講義から始まります。

「一番の目的は、ただ『分解して楽しい』で終わらせず、リサイクルという資源循環の取り組みを伝え、重要な行動であると学びを得てもらうことです」(柳澤)

リサイクルの意義を伝える講義からスタート
リサイクルの意義を伝える講義からスタート

講義はクイズ形式で、分かりやすくまとめられています。

特に反応が大きかったクイズは、「回収したスマホが再利用されるのは何パーセント?」でした。

「回収したスマホが再利用されるのは何%?」のクイズ
「回収したスマホが再利用されるのは何%?」のクイズ
クイズに答える参加者の子どもたち
クイズに答える参加者の子どもたち

答えはDの約99%です。

会場からは「そんなに多いの?」と驚きの声が上がりました。

「スマートフォンがリサイクルされているという認知は、あまり広がっていないと考えています。お子さま以上に保護者の方が驚かれることもあり、親子で一緒に学べる教室だと感じています」(柳澤)

スマホの中身はどうなっている?

いよいよ、分解の時間です。

作業に入る前に、参加者は透明のゴーグルと手袋を装着します。細かい部品や破片を扱うため、安全への配慮は徹底されています。

ゴーグルと手袋を着け、いよいよ分解へ
ゴーグルと手袋を着け、いよいよ分解へ
少人数制で一人ひとりに目が届く
少人数制で一人ひとりに目が届く

まずはネジをY字ドライバーで外していきます。マイナスドライバーを使ってカバーを取り外すと、細かな部品が詰まった内部が姿を現します。

まず目に飛び込んでくるのが、スマートフォンの頭脳にあたるメイン基板です。金や銀といった貴金属のほか、パラジウムなどのレアメタルが使われています。

スマホのメイン基板。貴金属やレアメタルを含む
スマホのメイン基板。貴金属やレアメタルを含む

続いてスピーカー、カメラ、モーターといったパーツを取り外していきます。手順はスライドで一つずつ解説され、細かい部品にはピンセットが活躍します。最も手先の集中を求められる工程です。

ピンセットで細かなパーツを取り外す
ピンセットで細かなパーツを取り外す

最後まで分解し終えると、机の上には取り外されたパーツがならびます。

分解を終え、机に並んだスマホのパーツ
分解を終え、机に並んだスマホのパーツ

先ほどのクイズにあった99%ものリサイクル率を実現できているのは、実はこのように人の手で丁寧に分解しているからなのです。

スマートフォンの分解は機械で行うことが一般的ですが、リサイクル率は70~80%にとどまります。人の手で1台ずつ分解し、素材ごとに分けていくことで、99%ものリサイクル率を実現しています。

「できた!」に目を輝かせる子どもたち

会場は終始にぎやかでした。ネジを一つ外すたびに拍手が起こり、ドライバーで部品が取れたときには「できた!」という声が上がっていました。

体験を終えた子どもたちに感想を聞くと、うれしそうな表情で答えてくれました。

「はじめてスマホのネジを取りました」
「こんな経験ができてうれしい」

うまくいかない場面も、まるごと楽しかったようです。

「ネジを外すのが楽しかったし、むずかしかったです」

こんなうれしい一言もありました。

「あまりこのような機会はないから、貴重な体験ができてよかったです。また体験したいなと思いました。ありがとうございました」

見守っていた保護者の方も、驚いた様子でした。

「初めての分解作業を間近で見てとても楽しかったです。子供も楽しかったと言っていました」
「ここまで細かく分解していることを知らず、SDGsについて考えるきっかけになりました」

スマートフォンの向こう側にある社会や環境へと、親子で視野を広げる大切な第一歩になったようです。

体験の最後には「修了証」がもらえる
体験の最後には「修了証」がもらえる

未来人財を育てるために、KDDIができること

これからの展望について、柳澤には大きく二つの思いがあります。

山口市での「スマホ分解教室」を企画した柳澤
山口市での「スマホ分解教室」を企画した柳澤

一つは、体験の場を広げていくことです。

「全国津々浦々のお子さまに経験していただくべきだと考えています。機会を得られる方と得られない方との間にある、いわゆる『デバイド』は可能な限りなくしていきたいと思っています」(柳澤)

スマホ分解教室のキットは全国各地の拠点に配備されており、日本中どこでも開催できる体制が整っています。

もう一つは、取り組みをより広い文脈で捉え直すことです。

「スマホ分解教室をより抽象化して捉えると、子どもたちがテクノロジーや環境、社会とのつながりに関心を持つための仕組みだと考えています。未来人財の育成に貢献できると考えていますし、KDDIが目指す地域共創に近づくと捉えています」(柳澤)

スマホ分解教室を通じて子どもたちの中に見つけた、未来へ向かう小さな「ときめき」。
KDDIは今後も山口市とともに、次代を担う子どもたちの可能性を広げる活動に力を注いでいきます。
そして、一人ひとりの「あなたらしい未来」が開花する機会を、山口から全国各地へ。踏み出す人々の背中を後押しする存在であり続けていきます。 

 

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